安易なネーミングは禁物という話
先日、いろいろな商品の販売戦略を考える専門家という人にお会いした。
マーケターという職業だという。商品が誰に対して売れそうかを分析し、広告を考え、ものによっては店舗での売り方まで指示するのだという。
マーケター先生が仰るには、「とにかく商品名が重要」とのことだ。
商品によっては数百の候補から選ぶこともあるらしい。
やけに長ったらしいカタカナが並んだり、意表をついた古風な名前など趣向を凝らすらしい。
商品名にもなんとなしに傾向があって、中小企業などは男の子の名前をつけることが多いらしい。
◎◎太郎、△△助(すけ)、××ボーイなど、とにかく覚えやすいということで、ほとんど悩む事もなく決めてしまうようだ。
商品の特性を考えて、「安心感が重要だ」と分析し、販売手法を工夫しようとも商品名が××ボーイなら後の祭り。
軽過ぎて販売戦略を考えるのは難しくなることもあるらしい。
自動車などは世界中で販売するため、各国の商標の状況などをくまなく調べてから商品名を決定するのだという。ご苦労なことである。
名前を変えただけでバカ売れ
ぱっとしなかった商品が、名前を変えただけで大売れしたという伝説的な話もある。
ニューヨークで九州料理の店を経営するオーナーの話だと言う。世界的な和食ブームもあり、開店当初から客入りは上々。
なのに、店で出している福岡名物の明太子だけは全く注文が入らない。
不思議に思い米国人の店員に聞いてみると英語のメニューが悪いらしい。見てみると「Cod Roe=タラの卵」と直訳が載っている。
これはいかん、明太子に馴染みのない米国人には気持ち悪いだけだ。
オーナーはあたまをひねって「HAKATA Spicy Cabia=博多スパイシー・キャビア」にメニューの表記を変えたところ、瞬く間に人気メニューになったという。
確かに注文したくなる。もともと欧米人は日本人の何倍も辛いものが好きだ。
よくできた話だが、本当なんだろうか。
世界に広がるマンション名、賃貸住宅も物件名を変えるだけで人気になったりしないものか。
調べてみると、賃貸住宅の名前にもその時代ごとにトレンドがあるらしい。
これぞ定番といったおもむきのコーポやハイツ、エステートは80年代から使われ始めたらしい。
意外に最近だ。それまでは〜荘や〜館が一般的だった。
老舗のマンションデベロッパーの、これまた生き字引みたいな社員が教えてくれた。
バブル崩壊後の90年代中盤になるとシティコートとかブリリアンスと英語と地名の組み合わせがが主流に、
2000年代に入るとビバッチェだがグラッチェだかイタリアなど他言語していったらしい。確かにそんな気がする。
そんなわけで物件名変更をお考えのオーナーにはイタリア語も候補に加えていただきたい。
住宅コラムニスト
西条阿南
新聞社を経て、フリーランスの記者、編集者として活動。
経済誌や週刊誌などに幅広く記事を執筆中。
8年間で5回の引越し経験があり、入居者目線で鋭く意見を発信する。
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