賃貸経営オーナー様の共通のお悩みである空室問題。
可能な限り空室期間を短縮し、満室稼働させたいですよね。
では、空室期間を短縮するためにはどのような方法があるのでしょうか?
空室対策の種類とおすすめの物件をご紹介します。
目次
1.空室対策とは
空室対策とはその名の通り、空室を防ぐために行われる様々な対策です。
写真撮影など手軽に行えるものから、リフォーム・リノベーションといった大規模なものまで幅広くあります。
空室対策は主に2つの目的に分けられます。
1つは、新規入居者を決め空室期間を短縮させる目的。
もう1つは、退去を防ぎ長期入居を促進する目的です。
空室対策というと空室期間中に行うものというイメージが強いですが、満室稼働中でも行える対策はあります。
常に空室になったときのことを考え、空室ロスが生まれないようにしましょう。
2.空室の要因を考える
現在空室が続いている場合は、やみくもに対策を取るのではなくまず空室の要因を考えましょう。
要因によって効果的な空室対策は異なります。
以下の方法で、空室の要因を探りましょう。
現在の問い合わせ状況を整理する
まずは現在の問い合わせ状況を確認しましょう。
問い合わせ数はどれくらいあるか、どの仲介会社から問い合わせがあるか、問い合わせ者の属性、問い合わせはあるならば決まらない理由は何か、など現在の状況を整理することで取るべき対策が見えてきます。
決まらない理由が分かっているのならそこを改善し、そもそも問い合わせがなく集客に課題があるのであれば仲介会社やポータルサイトへの掲載を見直すなど、物件に合った対策を取りましょう。
競合物件と募集条件を比較する
もう一つ行っていただきたいのが、競合物件との比較です。
物件自体や募集方法に問題がないとすると、競合物件と比較して募集条件が劣っているために空室になってしまっているのかもしれません。
賃料や初期費用、その他条件を類似物件と比較してみてください。
条件の見直しも一つの空室対策となります。
管理会社・仲介会社にヒアリングする
管理会社や仲介会社に空室の要因を聞いてみるのも良いでしょう。
物件や募集条件、集客に課題があるのではなく、市況の変化により入居が決まりづらくなっている可能性もあります。
例えば、大学の撤退により1Rの需要が減っているというようなことが起きているかもしれません。
最新の市況の変化というのは、インターネットで把握することが難しい場合があります。
所有物件が需要を満たす物件であるか確認するために、日頃からエンドユーザーと接している専任業者に確認するのが良いでしょう。
3.空室対策を考える
空室対策を考える際は空室の要因の解消に効果的であるかに加え、コストと持続性を踏まえて検討しましょう。
一回の費用があまりかからない対策でも、持続性がなく何度も繰り返し行わなければならない場合、トータルコストは高くなってしまいます。
また、立地や築年数など物件の状態、マンション全体の入居率、今後の賃貸経営の予定などによっても取るべき対策は異なります。
コストと持続性の観点から、様々な空室対策をご紹介します。
1.募集写真の変更(再撮影、ホームステージング)
ポータルサイトや物件資料に掲載されている写真の印象は、重要なポイントです。
写真がきれいで豊富なほどお部屋探しをされている方の目に留まりやすく、問い合わせに繋がりやすくなります。
現在使用している写真が暗い印象であったり少ない場合は、写真撮影を行い、管理会社に募集資料や掲載ページの写真の差し替えを依頼しましょう。
また、実際に家具を搬入し撮影するホームステージングも効果的です。
そのお部屋での暮らしがイメージしやすくなり問い合わせ増加が見込めます。
特に、形がいびつなお部屋や家具配置が難しい間取りのお部屋で効果的です。
>>goodroomのホームステージングについて詳細はこちら
費用:○ 持続性:○
おすすめの物件:状態が良く、物件に課題がない
メリット:撮影時間は数時間のため手軽に行える、次回の募集以降も写真を使用できる
デメリット:既存状態が悪い、立地等条件が良くないなど物件自体に課題がある場合は効果が薄い
(左:写真は垂直・平行に。日光が差し込む時間帯に撮影しましょう。)
(右:家具を配置することで、このお部屋での暮らしをイメージしていただきやすくなります。)
2.条件の変更(賃料の見直し、フリーレントを付ける、ADを増やすなど)
募集条件の見直しは、空室解消に直結しやすい空室対策です。
賃料や初期費用の調整だけでなく、入居条件を緩和することも募集の間口が広がるため効果的です。
一方で一時的な施策であり、物件自体の課題を解消しているわけではないため次回の退去の際にも空室期間が生じる可能性が高いです。
次回の募集時には今回以上の条件の緩和が必要となり、損失は大きくなります。
また一度賃料を下げてしまうと、築年数が経ち大規模な改修施工が必要になっても賃料での施工費用回収が難しくなってしまいます。
そして十分な改修ができないために、入居が決まらないず賃料をさらに下げざるを得ないという悪循環に陥いり、資産価値が下落してしまう恐れがあります。
そのため条件の変更は慎重に行う必要があります。
費用:◎ 持続性:☓
おすすめの物件:近隣物件と比較し条件が劣っている、早期入居を希望する
メリット:即効性が高い
デメリット:持続性はない、資産価値の下落につながる可能性があり慎重に行う必要がある
3.募集方法の変更/追加(仲介会社・ポータルサイト)
そもそもの問い合わせ数や内覧数が少ない場合は募集方法を見直しましょう。
現在の問い合わせ状況を見直し、仲介を依頼する会社や掲載するポータルサイトの変更や追加を検討しましょう。
お部屋探しポータルサイト「goodroom」では、物件をより魅力的に見せるため物件を訪れ、そのお部屋での暮らしをストーリー仕立てにして紹介する「取材」というサービスを提供しています。
また、SNSを利用してお部屋を宣伝するサービスも行っています。
このように会社により募集方法には特性があるため、複数の会社を調べてみると良いでしょう。
>>参考コラム「入居者募集の要 お部屋探しポータルサイト「goodroom」」
費用:△ 持続性:☓
おすすめの物件:問い合わせ数が少ない、状態が良く、お部屋に課題がない
メリット:集客力が高まり、問い合わせ数増加が見込める
デメリット:依頼する会社により、効果が大きく異なる
既存状態が悪い、立地等条件が良くないなど物件自体に課題がある場合は効果が薄い
4.共用部設備の充実(宅配ボックス設置、Wi-Fi設置、オートロック設置など)
共用部設備の設置は稼働に関係なく行える空室対策です。
これら設備はポータルサイトにおいて検索項目として設置されていることもあり、多くの人に喜ばれる設備のため入居付けにおいてプラス要因となります。
長期入居を促進する目的でも効果的でしょう。
あくまでも間接的な対策であるため、入居を決める際に即決の要因となったり大きく賃料アップができるほどの効果はありませんが、候補が絞られた際の最後の決め手となることも多いため共用部設備にも目を配りましょう。
費用:△ 持続性:◎
おすすめの物件:入居者の契約更新を促したい、賃料をもう少し上げたい
メリット:持続性が高い、全部屋の価値向上に貢献する
デメリット:費用がややかかる、間接的な方法なため大きな効果は期待できない
5.表層リノベーション
クロスの張り替えなど目に見える範囲の修繕・交換を行うのが表層リノベーションです。
比較的手軽にお部屋の雰囲気を変えることができるため、空室解消に繋がります。
しかしあくまでも表層のみのリノベーションのため、設備の経年劣化は改善されていません。
そのため今後も大きな改修が必要となります。
費用:△ 持続性:△
おすすめの物件:売却を予定しており一時的に空室を解消したい、築15年以下の物件
メリット:雰囲気を変えられ、入居付けが促進される
デメリット:あくまでも表層の施工のため抜本的な改修ができているわけではなく、水まわり設備などの交換や給水管のリフレッシュが必要になる
6.フルリノベーション
クロスや床、水回り設備などお部屋の全てを一新するフルリノベーション。
リノベーション内容によっては、築浅物件とも対抗できるほど高い競争力を得ることができます。
空室解消に加えて、賃料のアップも期待できます。
しかし効果が大きい分、他の空室対策と比較しコストも大きくなります。
リノベーションにより空室期間がどれほど短くなるのか、どれくらいで施工費を回収できるのか計算し、効果と費用のバランスを見て実施を決めましょう。
>>参考コラム「原状回復?リノベーション?決める前に収支の計算を!」
費用:☓ 持続性:◎
おすすめの物件:物件の築年数が経っている、設備交換を長くしていない、長期保有を予定している
メリット:持続性が最も高い、空室解消だけでなく賃料アップに繋がる
デメリット:費用がかかる
多数ある空室対策。ご自身の物件にはどの対策が効果的か、考える上での参考になりましたでしょうか?
空室対策を決める際に最も重要なことは、コストと持続性のバランスです。
物件のコンディションやオーナー様の経営の意向によって最適な手段は変わってきますので、それを踏まえつつ、最も費用対効果の良い対策を選択してくださいね。
グッドルームでは物件の長期的な価値の持続を目指し、リノベーションを行っています。
リノベーションをご検討されている方はぜひ一度ご相談ください。