2020年10月、シンプルであたたかみある空間として多くのファンを抱えるグッドルームのオリジナルリノベーションブランドTOMOSのデザインをリニューアルしました。
無垢床やナチュラルな雰囲気はそのままに、ベージュをベースカラーとしたnude、グリーンをベースとしたcalm、グレーをベースとしたinkの3種のデザインを展開します。
今回、TOMOSのデザイン開発を担当した、リノベビジネス開発推進本部 部長代理 佐藤とデザイナーの小澤に、改定のきっかけやTOMOSの価値観、未来について話を聞きました。
佐藤 陽亮(さとう・ようすけ)
入社前は、アトリエ系の設計事務所にて、某有名ハンバーガーチェーンやカフェなどの店舗設計に7年半従事。2015年11月にグッドルーム株式会社(旧HAPTIC)に中途入社後、リノベーション営業部に配属され、建築の知識を活かしながらオーナー様にリノベーションのご提案を行う。リノベーション営業部部長を務めた後、2020年4月よりグッドルームへ転職。自身もTOMOSに住む。
小澤 千晴(おざわ・ちはる)
ニューヨークにてディスプレイを学んだ後、帰国。グラフィックなどの仕事を経てTHE CONRAN SHOPにてVMDとして10年ディスプレイ業務に携わる。その間、TOMOSと出会い4年ほど住人となる。
その後グッドルーム株式会社(旧HAPTIC)に入社し。前職の知識を生かしてTOMOSやGOODOFFICEのブランディングを中心に、お客様により良い体験をして頂くべく日々想像を膨らませている。
本当に良いと思うものを追求し、よりオーナー様にとって価値のある商品にしたい
ーーまずどのようなきっかけで、今回の改定が行われることになったのでしょうか?
小澤:TOMOSの仕様を見直しているときに、お部屋全体で見たときの印象が当初のものから少しずつ変わり始めているなと感じたんです。
佐藤:TOMOSは基本的な仕様については創業以来変わっていませんが、資材の高騰に対応しつつより安価にご提供するために、取手や照明など部分的な変更を重ねてきたんですよね。
そうすることでたしかに値段を抑えてご提供できるのですが、一方で少しずつちぐはぐ感が出てきてしまうような気がしていて。
コストも大事ですが、オーナー様にとっても入居者様にとっても本当に良いものをつくるために、もっと全体の統一感を意識し質を追求しなければいけないなと感じました。
小澤:また、TOMOSは壁紙やスイッチプレートなど入居者様がカスタマイズできる箇所があったんですね。
カスタマイズ性がある賃貸は珍しいので入居者様に喜んでいただけるのですが、組み合わせによってはお部屋全体の統一感が少し損なわれてしまうことも否めなかったんです。
佐藤:改めて見直したときに、最初の入居者様だけでなく、より長きに渡って多くの方に喜んでいただけるものをつくらないといけないなと思いました。
その方がオーナー様に対しても、より大きなメリットをご提供できるので。
そこで、より質の良いものをお届けするために全体の仕様を見直すことにしたんです。
主役は入居者様の暮らし
ーー今回の改定の狙いは何でしょうか?
小澤:よりシンプルにすることです。
より長く愛されるお部屋にするために、以前の仕様から削ぎ落とす形で更にシンプルさを追求しました。
佐藤:多くのリノベーションは、例えばブルックリン調のデザインだったりとか、お部屋が主役になることが多いと思います。
ですがグッドルームには、“入居者様の暮らしが主役”という考え方があるんですよね。
小澤:入居者様が持っているインテリアや雑貨が中心で、あくまでもお部屋は箱。
だから箱はシンプルにして、住む方のインテリアが映えるようにしているんです。
入居者様には、好きなものを主役にした暮らしを楽しんでいただけます。
佐藤:シンプルな箱は流行りに左右されず選ばれ続けるので、オーナー様にとっても長期的に収益が見込める嬉しいお部屋となりますね。
体験や発見がある、楽しいお部屋に
ーー改定にあたり、意識したことはありますか?
小澤:TOMOSが変わってしまったと残念に思われないように、無垢床・やわらかさ・北欧っぽい雰囲気…などTOMOSにご期待いただいているところはなくさないように気をつけました。
あとは手触り感ですね。
取手を丸みを帯びたものにしてみたりとか、生活の中で触れる部分は、触れ心地の良いものをチョイスしました。
また、体験や発見が多い空間が理想だなと思っていて。
なんだかこのお部屋気持ち良いなと思ってもらえる、そんな体験ができる空間になるように意識しました。
ーーこれまでの仕様から変更したところを教えて下さい
小澤:1つは馴染みの良いカラーに厳選したことです。
どんなインテリアにも馴染み、TOMOSの目指すところである北欧っぽい雰囲気に合うカラーをチョイスしました。
佐藤:先日インテリアショップに行ったらまさに今回のテーマカラーの3色の家具が置いてあって、小澤さんさすがだなと思いました。
シンプルであることは大事ですが、部分的にはトレンドを意識することも大切かなと思います。
小澤:2つ目は玄関に入ったときの印象です。
帰ったときに楽しくなるように変えたかったので、一番雰囲気をがらりと変えられる照明をダウンライトから丸い照明に変更しました。
主張しすぎずぼやっとお部屋に馴染む光で、少しレトロな雰囲気になります。
あとは、統一感が出るよう細かい設備も見直しました。
例えばキッチンの換気扇フードはシルバーからキッチンや壁紙と同じ白色に変更し、ツールバーなどの小物も変更しました。
極力凸凹感をなくし、スマートに仕上げました。
ーーここは自信がある、ぜひ見てもらいたいという箇所はありますか?
佐藤:ここは小澤さんのソロ写真ですね。
小澤:自信はないよね…笑。
正解なんてないと思っているので、ご意見をいただきながら日々改善していきたいと思っています。
特に自信があるところはないですが、お部屋に住みぜひ体験してほしいとは思いますね。
それぞれがお持ちの家具と調和する空間になるように考えたので、皆さんの満足のいく暮らしになれば良いなと思います。
ーー完成した物件を見られていかがでしたか?
小澤:良いじゃん!って思いました。よりシンプルになったなと。
佐藤:ターゲットから考えるとなんとなく、nudeはファミリー、単身はcalm、inkかなみたいに思ったりもしますが、nudeで施工した1Rのお部屋がすごく品があり高級感が出たように見えました。
シンプルで汎用性が高いので、どのイメージも、どんなお部屋にでもおすすめできますね。
好きを中心にした暮らし
ーーどのような方に住んでもらいたいですか?
小澤:”好き”がある人ですね。
家具が好き、本が好き、植物が好き… 何か”好き”がある人に住んでいただきたいです。
先程お話したとおり、主役は入居者様の暮らしです。
それぞれの”好き”を中心にできるお部屋なので、ぜひその”好き”を持っている人に住んでいただきたいです。
あとはカラーを楽しんでほしいですね。
どれも馴染みの良い色ではありますが、特にnudeのお部屋は、ナチュラルな印象なので木の家具が合います。木が好き、やわらかい雰囲気が好きな方におすすめですね。
逆にcalmは黒の家具や、奇抜なアートなども合います。メリハリの効いたお部屋が好きな方におすすめです。
inkはどちらかというと男性的なのですが、モノトーンなのでどんなインテリアにも合いますね。
どのイメージもシンプルなつくりなので何でも合うのですが、
それぞれのカラーとの相性を発見しながらお部屋を楽しんでもらえたら嬉しいです。
1人目の入居がスタート 10年後に初めて成功かどうかが分かる
ーーオーナー様にとって、今回の改定はどのようなメリットがありますか?
佐藤:これまで仕様が1パターンだったものが3パターンから選べるようになり、自由度が高くなりました。
3パターンあれば同じ物件内で差別化できるので入居付けも促進できますし、選ぶ楽しさもありますね。
また先程お話していたように、各部品を変更したり、キッチンの棚を設置したりと、値段を変えずに品質を上げられたこともメリットかと思います。
しかし一番のメリットは、今回のアップデートの意図である、よりシンプルに長く愛される部屋になったという点だと思います。
物件の競争力が更に高まって、今まで以上にオーナー様とも長いお付き合いになり、さらに強く賃貸経営をサポートできると考えています。
数百万円かけてリノベーションし、賃料がアップして1人目の入居者様が決まると、その時点で、良かったですねと終わってしまいがちですが、オーナー様にとってはそこからが始まりなんですよね。
1人目の方が数年間住みそこで施工費を回収して、その後にやっと黒字に転じる。
なので2人目・3人目と続いて、10年後に初めて、今回のリノベーションが成功だったかどうかが分かるんですよね。
税金などの支出もあるのでそれも踏まえて、ロングスパンで安定収益を積み重ねることを一緒にやっていかないといけないと思っています。
10年後に成功しているためには、やはり長く運用し続けられていることが大切で、投資的な目線でも新しいTOMOSはよりそれが叶うものになったなと感じています。
ーー最後に、TOMOSはこれからどのようなものになると良いと思いますか?
小澤:変わらないけど変わり続けるもの。
基本的なところは変わらないけれど時代は変わっていくので、ロングライフで使えるけれどもっと魅力的なものにしていって、よりずっと大切にしていただける空間にしていけると良いと思います。
佐藤:あとはブランディングも強化していきたい。
分譲マンションのシリーズには名前があることも多いですが、賃貸マンションのリノベーションしたお部屋に名前をつけていることはあまりないですよね。
なので、グッドルームのオリジナルリノベーション=TOMOSと、名前がついている事自体がすごいことだと思っています。
もっともっとTOMOSを広げていき、賃貸リノベーションならTOMOSと呼ばれるようになりたいです。
先日、インスタグラムのライブ配信にて、一般のユーザー様へ向けて、inkのデザインで施工したTOMOSをご紹介させていただきました。
皆様キッチンや洗面台の仕様の違いなど細かな変更点にも気づいてくださり、「色々なTOMOSがあり良い」、「シックな色味を使っているが、部屋全体の雰囲気が柔らかいので堅苦しくなく落ち着けそうな空間ですね」といった好意的なコメントをいただきました。
グッドルームでは今後とも、より永く愛され続ける、オーナー様・入居者様双方にとって良いお部屋をお届けできるよう精進して参ります。
人気お部屋探しメディアgoodroomを運営しているからこそ分かる、入居者様の「こんなお部屋に住みたい!」を的確に物件に落とし込み、物件価値を最大限に高めるリノベーションをご提案します。