スマホ世代の登場
FAXが使えない新入社員が出現したと、しばらく前にビジネス雑誌で取り上げられていた。いまや会社組織の中に平成生まれがいて当たり前になったが、生まれながらにパソコン世代の彼らは電子メールでのやり取りが当たり前でFAXに触ったことすらないのだそうである。
最近の大学生について言えば、事態はもっと「深刻」で、パソコンに触った事がない学生が一定数いるのだそうだ。
スマホ・ネイティブ世代の登場というわけだ。
彼らがビジネスの世界にくれば、ワードやエクセルといったビジネスのシーンで必須のソフトを使えない社員達に教育をしなければいけない。時間も金もかかる、さあ大変だ、という趣旨の記事だった。
商売道具としてパソコンに慣れ親しんだ身としては、ピンとこない話だった。
賃貸の人気設備にも変化
しかし、先日この記事を思い出すことがあった。
空室対策として、人気のネット無料マンションについて聞いたのだ
ネット無料マンションは入居者に人気の設備を聞けば、必ず上がる定番設備だ。おそらく10年以上は人気設備として、賃貸住宅界隈では耳にしていると思う。
しかし、若者がパソコンからスマホに移行するなかで人気にかげりが見えているという。
賃貸仲介会社の社員が言っていた。
「一人暮らしの学生や若者はパソコン持っていない入居者が本当に増えました。特に女性は半分以上がスマホで十分という印象です。ネット無料マンションを提案しても、ネットやりません。という調子で、余計な設備と思われることも増えました。時代の流れは早いですね」
逆に、ネットでゲームをやるようなオタクな若者にとっては回線速度が遅いと敬遠されることもあるらしい。帯に短し、たすきに長しというわけだ。
大切なのは変化を感じるアンテナ
上記のような話から、有線のネットだけでなく無線でスマホをネットにつなぐWi-Fi(ワイファイ)をセットで導入するケースが増えているという。
それにしても、10年前に戻って、将来若者はパソコンをやらなくなる、と教えても誰も信じないだろう。未来を見通すのは本当に難しい。
常に新しい需要についてアンテナをはっておく。変化が激しい時代には、これしかないと思う。
住宅コラムニスト
西条阿南
新聞社を経て、フリーランスの記者、編集者として活動。
経済誌や週刊誌などに幅広く記事を執筆中。
8年間で5回の引越し経験があり、入居者目線で鋭く意見を発信する。
人気お部屋探しメディアgoodroomを運営しているからこそ分かる、入居者様の「こんなお部屋に住みたい!」を的確に物件に落とし込み、物件価値を最大限に高めるリノベーションをご提案します。