「お部屋が古くなったから」
「長く住んでいた人が退去したから」
賃貸アパート・マンションをリノベーションを検討するタイミングや理由は人それぞれかと思いますが、和室を洋室に変更するという施工内容は非常に一般的かと思います。
和室よりもフローリングのほうが入居者に好まれやすいから、使い勝手があまりよくないからという理由だけで和室を洋室化してしまってよいものなのでしょうか?
今回は入居者目線で考える「あえて和室を残すリノベーション」についてご紹介します。
目次
「入居者目線」でお部屋をつくるために
設備の更新や”今”風の間取り…いろいろな要素がありますが、一番大切なのは
「どんな人が暮らすのか?」
「どんな人に暮らしてほしいのか?」
お部屋の場所や特性から住んでもらいたい人を明確にすること、であるとグッドルームでは考えています。
ターゲットを設定することで、どんなリノベーションを目指すのかが想像しやすくなり、『入居者目線』で気の利いた、決まりやすいお部屋を造ることができます。
和室をあえて残す
リノベーションというと、「和室を洋室化とすることが一番」「全室フローリング化は必須」と思われがちです。
実際、和室のニーズ自体はあまり高くありませんし、30平米未満の小さいお部屋ではほぼすべてのお部屋で洋室化しています。
しかし2LDKなどの部屋数を確保したい大きなお部屋に関しては、『あえて和室を残す』ことが条件によっては効果的です。
実は、若い夫婦や子育て世代の人たちには和室は大変重宝されます。
子供のためにフローリングにマットを敷く家庭が多いですが、畳はフローリングと比べて柔らかいため、そのまま使えるというメリットがあるのです。
また、畳自体には調湿機能もあるため、フロアタイルやクッションフロアと比べて快適に過ごせるというメリットもあります。
使う畳に一工夫
しかし、そのままの和室を残すだけでは古い部分がただ残ってしまうだけになってしまいます。
そこで少しデザインを加えてモダンなイメージにするなど一工夫が必要です。
事例①仕切り壁をアーチ型にする
アーチ開口がアクセントになり、レトロな畳の雰囲気と相まって可愛らしい印象に。アーチ開口は入居者からの評価も高く、取り入れやすい施工内容です。
事例②縁無しの畳を使用する
琉球畳を使用することで、モダンですっきりとした空間に。木枠も残すことで和室の風合いとリノベーションならではの味わいも。
こうしたデザインを加えることで、和室でも若い世代にも受け入れられやすいお部屋になります。
もちろん、フローリングに張り替えるよりもリノベーションの施工費用が節約できることも大きなポイントです。
さいごに
畳の匂いはどこか懐かしさを感じさせます。
日のあたる部屋でゴロゴロする休日というのもフローリングにない魅力の一つと言えます。
最近では高齢者の方が一軒家を手放して、駅前でマンション暮らしをすることも増えています。
その時には、広いリビングよりも、部屋が仕切られて和室があることが決め手になることもあるようです。
「誰にとっての付加価値か」
ポータルサイトの検索に引っかるためだけの設備重視のリノベーションではなく、ターゲットを明確にしたメリハリの有る投資で入居者に選ばれる部屋作りをしていくことが満室経営の近道ではないでしょうか。