最悪じゃないのはどちらか?
アメリカで異色の大統領が誕生しました。来年1月に新大統領に就任することとなったドナルド・トランプ氏は数々の暴言や問題行動で知られているだけなく、政治経験がゼロという大統領候補でした。トランプに返り討ちにあったヒラリー・クリントン候補は夫にして元大統領のビルとともに数多くの政治経験があり、20年にわたって政府要職にあった人物です。あまりに違う二人の候補者を見比べて、この選挙結果を予想できた人がほとんどいなかったのもうなずけます。選挙後にさまざまな議論がされていますが、日本人が思う以上にヒラリー候補に人気がなかったのも大きな要因のようです。豊富な政治経験は有権者にはエリート臭が鼻につき。オバマ大統領の路線を継続する主張は、古色蒼然と見えたのかもしれません。その点、トランプ新大統領の良くも悪くも何かを変える力に期待が集まったという分析には頷くところは多いです。当たり前ですが、完璧な候補者はいません。しぶしぶ、どちらかの候補に投票した人も一定数いたと思います。まさに有権者の妥協が形として現れたように思えます。
妥協で対策は動き出す
空室対策としてリノベーションの相談を受けていますと、この妥協が重要だと思う場面が多々あります。空室対策を相談されるオーナー様のなかでも熱心な方ほど、妥協ができず苦しむケースが多い気がします。「あそこも、ここも気になる。全部直したい」「収納が足りない」「ユニットバスは使いづらい…」こういった要望すべてを直せればいいのですが、そうすれば予算がかさみます。大きな収納をつけたり、ユニットバスをセパレートに分けたりすれば、居室は狭くなります。悩んだ挙句に、結局、何も手を付けられないオーナー様はかなりいます。
理想が行動の邪魔をする
トランプ新大統領はヒラリー候補が見落としていた地域に絞って選挙活動をしていたそうです。政治的な信念や理想はなく、相手候補が苦手な点を責める。この発想は空室対策にも有効です。空室対策に置きかえた場合、相手とは何になるのか?想像してみてください。近くにできた新築物件?駅前のシェアハウス?イメージしたものが「心の中の理想の部屋」だったのなら、実際の対策に動けるまで時間がかかりそうです。
住宅コラムニスト
西条阿南
新聞社を経て、フリーランスの記者、編集者として活動。
経済誌や週刊誌などに幅広く記事を執筆中。
8年間で5回の引越し経験があり、入居者目線で鋭く意見を発信する。
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賃貸住宅では従来リフォームの設計、施工、入居者募集は別々の会社より提供されていますが、ハプティックでは、リノベーションの設計、施工を「TOMOS」、リノベーション後の入居者募集を「goodroom」により、ワンストップで提供することでオーナー様の空室解消や家賃下落に対する不安を解消し、築古賃貸不動産のバリューアップを行っています。工事のご相談はお電話・お問い合わせフォーム(こちら)よりお気軽にお知らせください。