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シャワーブースでも入居は決まる?狭小賃貸1Rの水回りリノベーション

1R、特に20㎡未満の狭小1Rのお部屋でよく見られる設備が、浴槽・洗面ボウル・トイレがセットになった3点ユニットバスです。
3点ユニットバスはコンパクトなお部屋でも居室面積を広く取れることがメリットの浴室設備ですが、一方で主に衛生面における心配を理由に懸念される入居者様が多いことも事実です。

3点ユニットバスと同じく、狭小1Rでよく使用されている浴室がシャワーブースです。
今回は、このシャワーブースへリノベーションするメリット・デメリットと、シャワーブースに対する入居者ニーズをご紹介します。

 

シャワーブースとは

シャワーブースとは

シャワーブースとは、その名の通り、シャワーのみが設置されたブース型の浴室設備です。
ユニットバスと異なり、浴槽がないためその分設置スペースが少なく済みコンパクトな水回り設備です。
ゲストハウスやマンスリーマンション、インターネットカフェなどでも見られます。

シャワーブースへリノベーションするメリット・デメリット

シャワーブースリノベーションのメリット

3点ユニットバスがある1Rのお部屋のリノベーションを検討する際に、真っ先に思い浮かぶのは浴室とトイレの分離工事ではないでしょうか?
しかし、20㎡未満のお部屋では分離工事を行うことで居室面積が5畳を切るほど狭くなってしまうケースも珍しくありません。
バス・トイレ別であることは入居付けを早めることができる要素の一つですが、居室が狭いことは空室が長期化する要因の一つです。

そのような場合に検討したいのが、シャワーブースを設置してトイレを分離する方法です。
それでは、シャワーブースを設置してリノベーションを行うことのメリット・デメリットをご紹介します。
 

シャワーブースリノベーションのメリット

使用する面積が少ない

シャワーブースは浴槽がない分ユニットバスよりも少ない面積で設置ができます。
そのため、トイレスペースを新設したとしてもユニットバスを設置した際と比較して居室面積を広く保つことができます。
また、使用面積が少ないことでトイレだけでなく独立洗面台や収納など他の設備を新設できる可能性があります。

ネット検索で見つけてもらいやすくなる

浴室に使用する面積が狭くなり他の設備を新設できることで、ポータルサイトにおけるネット検索でユーザー様にお部屋を見つけてもらいやすくなります。
近年のお部屋探しポータルサイトには必ずといって良いほど、条件検索というお部屋の絞り込み機能が付いています。
数万件という膨大な数のお部屋がある中で自分に最適なお部屋を見つけるために、ほぼ全員のユーザー様がこの機能を利用しています。

条件検索の機能においてよく使用される条件が、「エリア」に加えて「バス・トイレ別」と「独立洗面台」です。
特に「バス・トイレ別」の項目は、お部屋探しポータルサイト「goodroom」においても最も利用されている検索項目です。※2021年3月時点において

シャワーブースリノベーションを行うことで、「バス・トイレ別」場合によっては「独立洗面台有り」として掲載募集することができるため、ユーザー様にお部屋を見つけていただきやすくなります。
 

シャワーブースリノベーションのデメリット

ターゲットが狭まる可能性がある

浴槽がないこと、スペースが狭いため窮屈さを感じるなどの理由でシャワーブースを敬遠される方もいらっしゃいます。
ユニットバスではなくシャワーブースを新設することで、ターゲット幅は狭くなってしまいます。

賃料が下がる

浴槽のみの1点ユニットバスと比較すると、バス・トイレが別になるとはいえ、賃料には差ができてしまいます。
そのため平米数に余裕がある場合は、あえてシャワーブースを設置するメリットはないと言えるでしょう。

しかし、グッドルームのTOMOSリノベーションにおいて3点ユニットバスと比較する場合は、シャワーブースを設置することでバス・トイレ別になることを考慮し1,000〜2,000円程度賃料を上げて設定しています。

シャワーブースの入居者ニーズ

シャワーブースの入居者ニーズ

狭小のお部屋でも居室面積を一定保つことができるシャワーブースですが、入居者様の反応はどのようなものなのでしょうか?
グッドルームのユーザー様の傾向をご紹介します。

シャワーブースのお部屋のターゲット

シャワーブースはシャワーのみ設置されているため、当然ですが浴槽に浸かることができません。
このことを許容できるかが、シャワーブースに入居を決める分かれ道になります。

一般的にシャワーブースのお部屋に住んでくださるのは、

  • いつもシャワーで済ませている、湯船に浸かる習慣があまりない方
  • 居室の良さを重視しながら、賃料を抑えたい方
  • 外国籍の方、外国での生活が長くシャワーブースに慣れている方

という場合が多いです。
湯船に浸かる習慣がない方や、掃除の手間が少なくなることをメリットに感じてご入居いただくことから20代の若年層の方で、特に男性に多い傾向にあります。

また湯船に浸かる習慣がある方でも、近隣に銭湯がある場合などは許容していただきやすくなります。

一方でシャワーブースであることを理由に、検討されない方もいらっしゃいます。

  • 浴槽に浸かる習慣がある方
  • 狭くて落ち着かないなど、コンパクトなために懸念される方
  • 実家から出たばかりの方など、追い焚き機能・浴室乾燥機付きなどの充実した浴室を希望される方

といった傾向があります。

しかし、浴室の充実度を重視されるこれらの方々はシャワーブースだけでなく同じように3点ユニットバスも懸念される傾向にあります。
そのため、ユニットバスを新設しトイレと分離することが難しい狭小のお部屋のターゲットにはそもそも当てはまらないと言えるでしょう。

エリアによる違い

都心エリアと地方エリアでも、シャワーブースに対するニーズの違いがあります。

都心エリアでは、賃貸需要が高いため設備が充実していないお部屋でも空室に困りづらく、3点ユニットバスのお部屋も多数あります。

「goodroom」に掲載されているお部屋で比較すると、都市圏である関東・関西圏では1Rのお部屋のうち3点ユニットバスのお部屋は約25〜30%となっています。※お部屋探しポータルサイト「goodroom」掲載物件 2021年3月時点において

そして、3点ユニットバスのお部屋とシャワーブースであるけれどトイレと分離されているお部屋では、シャワーブースの方が印象が良い傾向にあります。
3点ユニットバスは、汚れがたまりやすい、トイレットペーパーがふやけてしまう、衛生面が気になるなどを理由に懸念される設備です。
「バス・トイレ別」の条件検索が多数利用されていることから分かるように、分離されていることは大きな魅力となります。

一方で地方エリアでは都心エリアと比較して賃貸需要が高くないため、入居者に懸念される設備の代表格である3点ユニットバスのお部屋は市場に多くありません。
名古屋・福岡において、3点ユニットバスのお部屋は1R全体のうち約11〜12%となっています。※お部屋探しポータルサイト「goodroom」掲載物件 2021年3月時点において

もちろん地方においても、賃料が低いお部屋などでは3点ユニットバスのお部屋もありますが、バス・トイレ別であることが都心エリアよりも一般的となっています。
そのため、シャワーブースの最大のメリットであるバス・トイレが別であることはあまり魅力的には捉えていただけません。
浴槽がないというシャワーブースのデメリットが懸念になってしまうことも多く、都心ほど空室解消の効果は大きくないでしょう。

シャワーブースリノベーションの事例

シャワーブースは万人に受け入れられる設備ではありませんが、ターゲットを絞ることによって空室解消が期待できる設備です。
それではシャワーブースを新設し、空室解消と賃料アップを叶えたリノベーション事例をご紹介します。
 

①シャワーブース新設によって、居室面積を維持


(左:リノベーション前 右:リノベーション後)

千葉県浦安市にあるこちらのお部屋。
17㎡と狭小で、3点ユニットバスを分離させると居室スペースがさらに狭くなってしまうという懸念があったためシャワーブースを新設し、お部屋探しの際に居室面積の基準とされることが多い6畳を確保しました。

シャワーブース新設によって、居室面積を維持
(左:リノベーション前 右:リノベーション後)

図面before/after

シャワーブースの新設を含めたリノベーションの結果、施工中に入居申し込みを獲得しました。
同時施工した1点ユニットバスの別部屋でも募集を行っていましたが、「お部屋が広くなり、掃除も簡単なのであまり浴槽に浸からない方にとってはおすすめですよ」とお伝えし、賃料が少しお手頃になることもあってお申し込みいただきました。
1点ユニットバスのお部屋を含めた5部屋の中で、こちらのシャワーブースのお部屋が最初に成約しました。

 

②シャワーブース新設によって、独立洗面台を新設


(左:リノベーション前 右:リノベーション後)

こちらは東京都多摩市にあるお部屋です。
こちらも先程のお部屋同様、17.8㎡と広さが限られていたため、シャワーブースを設置しました。
お部屋の雰囲気に合った木目調のシートが使用された、あたたかみある印象のシャワーブースです。

シャワーブース新設によって、独立洗面台を新設
(左:リノベーション前 右:リノベーション後)

また、ユニットバスではなくシャワーブースとすることで居室にスペースが生まれ、独立洗面台を設置することが出来ました。
2トーンの壁紙や丸い鏡、入居者が自由にレイアウトを楽しめる有孔ボードなど、こだわりの詰まった空間となっています。

図面before/after

シャワーブースを新設し限られたスペースを確保しつつ、お部屋のバリューアップを叶えました。
リノベーション前4.5万円だった賃料は5.6万円と1.1万円アップし、施工中に成約しました。
 


 
賃貸住宅に浴槽がないシャワーブースを設置することをご検討されたことがないオーナー様も多数いらっしゃるかと思います。

しかし、設置スペースが抑えられるシャワーブースを取り入れる事で、トイレの分離や独立洗面台の新設など、従来の狭小ワンルームでは難しかった施工も行うことが出来るようになります。

狭小ワンルームリノベーションをご検討の際は、是非”シャワーブースの新設”も選択肢の一つにしてみてください。
 

 

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