グッドルームでは、賃料アップや空室解消、そしてその価値が長期的に持続する空間づくりを目指して、これまでに様々な取り組みを行ってきました。
今回はそのうちの1つ、人気レシピ投稿サイト「クックパッド」との協働で実現した「たのしいキッチン」プロジェクトとともに、キッチンに注目した賃貸住宅の差別化戦略をご紹介します。
目次
1.どうしてキッチンに注目するの?
それは、入居者のキッチンに対する潜在的なニーズが高いからです。
賃貸住宅でお部屋探しをされる際に、「キッチンの充実度」を条件として挙げられる方は少数派ですが、
一方で、分譲住宅を購入される際には多くの方がキッチンにこだわってお部屋探しをされます。
また、近年健康のためやストレス解消の手段として、自宅で料理をされる方が増加傾向にあります。
下記のアンケートでは、物件選びの際の重要項目「家賃」「アクセス」「リビングの広さ」を少し妥協しても、「キッチンの充実度」を優先したいという方が多数派であることが示されています。
「住宅選びにおけるキッチンの重要性」についてのインターネット調査
調査期間:2019年8月26日、2019年11月12日
調査手法:インターネット調査(Google Surveys)
人数:500人
このことから、人々のキッチンへのニーズは高いことが伺えます。
また、2019年12月に巻き起こったコロナ禍によって、消費者の意識や行動が大きく変化。
「巣ごもり消費」という言葉がトレンド入りしたことからも分かるように、自宅時間を楽しもうとする風潮が全国的に強まりました。
その一環として自炊の機会も増え、「自宅で料理を楽しみたい」という傾向はさらに加速したことが予測されます。
今後、賃貸住宅においても「キッチンの充実度」はより重視され、お部屋探しの際の優先順位も変わってくるかもしれません。
では、一般的な賃貸住宅の、特に単身向け住宅のキッチンはどのようなものでしょうか?
同時調理ができない一口コンロ、まな板を置けない程狭い調理スペース…
「一人暮らしでもいろんな料理にチャレンジして楽しみたい」と思いながらも、広さや機能が十分とは言えないキッチンを使用している入居者様は沢山いらっしゃいます。
画一的な内装・設備であることが多い賃貸物件に「キッチンの充実度」を求めることは、贅沢だとお考えの方が多いのです。
突っ張り棒やワゴンを使い収納を増やしたり、作業台をDIYしたりと工夫の仕方はたくさんありますが、原状回復が必要な賃貸ではなかなか大胆に手を加えることはできません。
クックパッド株式会社様と協働したプロジェクトでは、この自宅で料理を楽しみたいという需要と、現在の賃貸住宅では機能的に十分とは言えないキッチンがまだまだ主流であるという供給のギャップに注目。
料理を楽しみたい入居者様にとっても、早期入居・賃料アップを叶えたいオーナー様にとっても嬉しいお部屋をつくりました。
2.クックパッドとの取り組み
「たのしいキッチン」プロジェクト概要
「楽しいキッチン」プロジェクトは、クックパッド株式会社様により、住宅のキッチン環境をより良くすることを目的に発足されました。
グッドルームはその第一弾パートナーとして、賃貸住宅のキッチンを充実させるためのリノベーションを担当しています。
また、理想のキッチンが見つかる不動産情報サイト「楽しいキッチン不動産」に、キッチンが充実した賃貸住宅の情報提供も行っています。
>プレスリリース
「クックパッドの「たのしいキッチン」プロジェクトに基づく賃貸住宅リノベーションなどの展開について」
オンライン内覧会開催
6月には「狭くても、居心地よく。キッチンが主役の新しいリノベ」と題し、上記プロジェクトにて施工したお部屋から実況中継、オンライン内覧会を開催いたしました。
本イベントでは、クックパッド株式会社 たのしいキッチン事業部 部長 渡部様にもご登壇いただき、弊社取締役 伊藤との対談形式にてコラボレーションの経緯や、キッチンのニーズと賃貸住宅における差別化戦略などをお話させていただきました。
100名近くの方にご予約いただき、「単身用のキッチンを充実させる発想が今まで無かったので、その着眼点自体がとても参考になった。」「キッチンのみならず、SNSを意識したリノベーションの話など、他では聞けないようなワードが出てきて、この両社のコラボならではの特徴がありよかった。」などのお声をいただきました。
3.事例紹介
それでは、「たのしいキッチン」プロジェクトにおいて誕生した、こだわりキッチンのあるお部屋をご紹介します。
どちらのお部屋も充実したキッチンによって差別化することで、大幅な賃料アップを実現しました。
たのしいキッチン住宅事例1
オーナー様のお悩み
前回の入居者様が長期入居されていたこともあり、リノベーション前は現状で貸し出すことが難しい状態でした。
どんどん古くなるお部屋をどのように運用すれば良いかお悩みでした。
数年前に交換したユニットバスなど、使用できる既存設備は残してコストダウン。
その代わりに「たのしいキッチン住宅」としてキッチンに力を入れることで、競争力の高いお部屋にリノベーションするご提案をさせていただきました。
リノベーションビフォーアフター
(左:リノベーション前 右:リノベーション後)
25平米の1Kのお部屋に設置されたキッチン。
元々、狭くはないもののコンロの設置がされておらず、状態も良いとは言えないキッチンでした。
リノベーションで、2口コンロと広めのシンクを設けた、単身者向け住宅では珍しいゆとりのあるキッチンを設置。
さらに横にはロングカウンターを増設することで調理スペースを確保、格段にお料理がしやすくなりました。
こちらのロングカウンターは、調理スペースとしての用途はもちろん、ワークスペースとしての利用も想定して作られている点がポイントです。
在宅勤務の普及に伴い生じた、「ワークデスクを設置したいが、部屋が狭い」「広い部屋に住みたいけれど、週1〜2回は出勤するので郊外には住めない」そんなジレンマをも解消する万能カウンターとなっています。
さらに、テーブル上部には調味料などを並べられる見せる収納を設置。
SNSで見る、憧れのキッチンを再現できる空間となりました。
キッチン上部と下部にも収納スペースがあり、一人暮らしには十分な収納量を確保しています。
お部屋のスペースを保ちながら、キッチンを充実させることで他物件と差別化することができました。
キッチン以外のリノベーション箇所
(左:リノベーション前 右:リノベーション後)
▲玄関から居室まで贅沢に無垢床を敷き詰めました。導線を遮るものが減り、以前より広く感じられるようになりました。
▲白を基調とした配色で、1階でも明るい印象のお部屋に。キッチンや玄関まで光が届きます。
(左:リノベーション前 右:リノベーション後)
▲交換したばかりの3点UBはそのまま既存利用。綺麗にして木目シートを貼ることで、お部屋との統一感をもたせます。
図面で見るビフォーアフター
デスクとしても調理台としても利用可能な万能カウンターを設置し差別化。
築40年以上でも、「キッチンが主役の1R」という強い魅力付けで2.3万円の家賃アップに成功しました。
たのしいキッチン住宅事例2
オーナー様のお悩み
エリアは良いものの、駅から少し遠い当物件。
「事務所向きのお部屋をリノベーションして、住居メインでの募集を考えている」というご相談を受けて、SOHO・事務所向きのお部屋を、キッチンをポイントとした住居メインの間取りに変更するご提案をさせていただきました。
リノベーションビフォーアフター
(左:リノベーション前 右:リノベーション後)
元々は洗濯機が一体になったキッチンでした。
オフィス利用であれば使用頻度が少ないため、スペースが節約でき良いですが、住宅として利用する場合は、少々使いづらさを感じるかもしれません。
こちらのお部屋には、賃貸物件では珍しい食器洗浄機を設置することでキッチンの魅力を高めました。
他にも、グリルや広めのシンクを採用し、とても使い勝手の良いキッチンとなっています。
また、背面のパネルには通常TOMOSで使用している白色のものではなくグレーのパネルを採用することで、価格帯に合った高級感のあるキッチンに仕上げています。
キッチン以外のリノベーション箇所
(左:リノベーション前 右:リノベーション後)
▲暗い色味の床が特徴的でした。元々採光の多いお部屋でしたが、無垢床を貼ることでさらに明るい印象のお部屋となりました。
(左:リノベーション前 右:リノベーション後)
▲住居仕様とするにあたり3点UBは分離、脱衣所を新設しました。
図面で見るビフォーアフター
賃貸住宅ではほとんど見られない、食器洗浄機付きのキッチンを採用。
デザインも高級感ある仕様にすることで、2.8万円の賃料アップとなりました。
コンパクトで機能も十分とは言えないキッチンであることがまだまだ多い賃貸住宅では、キッチンに一工夫加えることで他のお部屋と大きく差別化することが可能です。
入居者に喜ばれるポイントを熟知しているグッドルームで、入居者様にとってもオーナー様にとっても嬉しいお部屋をつくりませんか?
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